エスワンタイホウの配合成分とその特徴
エスワンタイホウはFT、CDHP及びOxoの3成分を配合した経口抗悪性腫瘍剤です。
| エスワンタイホウの配合成分 | |||
|---|---|---|---|
| 成分名 | 構造式 | モル比 | 役割・特徴 |
| テガフール FT |
 |
1 | 5-FUのプロドラッグであり、主として肝ミクロゾームのチトクロームP450（CYP2A6）により徐々に5-FUに変換されます。 |
| ギメラシル CDHP |
 |
0.4 | 主として肝に多く分布する5-FUの異化代謝酵素のジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ（DPD）を選択的に阻害（可逆的）することによって、FTより変換される5-FU濃度を上昇させます。この生体内5-FU濃度の上昇に伴って、腫瘍内では5-FUのリン酸化代謝物である5-フルオロヌクレオチド（FUMP等）が高濃度持続し、抗腫瘍効果が増強します。 |
| オテラシル カリウム Oxo |
 |
1 | 主として消化管組織に分布してオロテートホスホリボシルトランスフェラーゼ（OPRT）を選択的に阻害し、5-FUからFUMPへの生成を選択的に抑制します。その結果、エスワンタイホウ投与により5-FUの強い抗腫瘍効果を損なうことなく、消化管障害が軽減されると考えられています。 |
作用メカニズム
エスワンタイホウはテガフール（FT）、ギメラシル（CDHP）及びオテラシルカリウム（Oxo）の3成分を含有する製剤であり、経口投与後の抗腫瘍効果は体内でFTから徐々に変換される5-FUに基づいています。
エスワンタイホウ配合OD錠は、有核型口腔内崩壊錠であり、有効成分を内包し十分な強度を有しますが、速やかな崩壊性も示します。
なお、エスワンタイホウ配合OD錠は、有効成分、原薬、添加物及び製造方法がティーエスワン配合OD錠と同一となっています。